ライブレポート
エレファントカシマシという観測史上最大級の"嵐"が去った後の会場は、すっきりと晴れ渡っていた。ある意味で最高の御膳立てである。続くステージはイベントの主催者、大トリのスピッツである。彼らの音響システムは、マイクをアンプに置いて増幅させず、ア…
観測史上最大級の暴風雨のようなライブ——。「有明サンセット 2022」2日目の3組目は"ダークホース"、エレファントカシマシ。本イベントは、8月の初めになるまで、残り一組が誰になるのか未発表であった。例年、若手から中堅のアーティストがラインアップに軒…
2022年9月28日と29日、ここでスピッツが主催する「有明サンセット」なるものが開催された。サンセット企画なるものは例年、新木場のSTUDIO COASTにて「新木場サンセット」が開催されていた*1が、2020年限りでSTUDIO COASTが閉業してしまったために、会場の変…
池袋西口のカラオケルーム、男は「黒く塗りつぶせ」を予約していた。曲が始まる。イントロのビートが、音の割れたスピーカーから流れる。男は矢沢永吉の歌い方を意識し、しゃがれ気味でシャウトをしながら歌う。曲が終わり、すぐさま次の曲が始まる「時間よ…
2019年6月12日、男は恵比寿LIQUIDROOMのステージにて一人、ギターを持って弾き語りをしていた。宮本浩次、ロック歌手、そしてエレファントカシマシのボーカリスト。ソロアーティストとして自身初の単独ライブであった。汗でぐしゃぐしゃになった長髪の合間か…
冬の東京は、雲一つない晴れの日が多い。澄み渡った空気は、都会特有の化学的なツンとした匂いをわずかに含み、あらゆるものをたちまち無機質にさせる。埼玉郊外から電車に乗り、日本武道館へと向かう。この日も、天気は晴れ。ぼんやりと、車窓を眺めてみる…
こんなブログを見つけた。言わんこっちゃあない。"ピンヘッド三浦"というなんとも馬鹿げた人間がやっているブログである。ここではサマソニに出演するのB'zとニューアルバムについて、高らかに書き連ねられている。当時の筆者はよっぽど高揚していたというこ…
間違いなくこの日のベストアクトだったのはThe 1975。彼らのパフォーマンスくらいからどんよりとした雲がサーッとはけてきて、あれだけ蒸し暑かった会場には心地のよい風が吹き始めていた。前アクトのWeezerで揉みくちゃになった反省を生かして、アリーナ後…
なにやら欽ちゃんの仮想大賞みたいなタイトルになってしまった。18番、揉みくちゃでWeezer――普通にありそうではないか。そんなことはさておいて、Weezerはアリーナ席のかなり前の方で観ることができた。前のYUKIから戻ってくる客の勢いを利用して前へ前へと…
SUMMER SONICはMARINE STAGEのスタンド席でだらだらと観ていたが、YUKIおよびWeezer以降のアクトを少しでもいいポジションで観るべく、WANIMAが終わった転換作業のときグラウンド上(アリーナ席)に降り立った。午後3時を回ってもなお、人が密集しているからだ…
SUMMER SONIC 2019の1日目に行ってきた。台風10号の影響とマリンスタジアム特有の浜風との相乗効果によって、この日の会場はとんでもないくらいに風が強かった。割と冗談抜きにして、外野フライがキャッチャーフライになるくらいの風じゃなかったかと思う。…
ライブはこの日のために作ったという、オープニング・ムービーで幕が開けた。インストゥルメンタル・バージョンの「ナニモノ」をバックにオフショットやライブ映像、さらにはこれまでの彼らのディスコグラフィーが走馬灯のように流れてゆく。そして、メジャ…
エレファントカシマシ30回目の野音の2日目は雨。ただ、この日も多くの人が集まってきていた。空はどんよりと鉛色になり、ビルの上の方は靄がかかっている。日比谷公園の池のほとりにある、木の下で開演の時を待つ。粒の大きい夏の雨が木に当たり、それが時折…
今年のエレカシの日比谷野外音楽堂でのライブは、2日間とも外で聴きました。もう、外から聴くのでも十分すぎるもので、本当に素晴らしいものでした。日は曇り空。午前中から降りしきっていた雨は止み、梅雨のほんの僅かの中休みとなったこの日、開演前から外…
ありとあらゆるものの密度が濃かった。そして、その濃さをかき回すかのように"混沌"が渦巻いていた―。これは6月12日、宮本浩次53歳の誕生日にLIQUIDROOMで開催された〈ソロ初ライヴ!宮本、弾き語り〉のライブレポートである。 昨年エレファントカシマシは、…
"エレファントカシマシ宮本浩次"と"ソロアーティスト宮本浩次"は全くの別人である——。ソロ活動というものが、エレファントカシマシの延長線だとすれば、この命題のようなものは決して"真"になることはない。けれども、〈ソロ初ライヴ!宮本、弾き語り〉では…
幸いなことに、Mr.Childrenのドームツアー〈Against ALL GRAVITY〉の東京ドーム公演に行くことができた。野球好きの筆者としては、東京ドームといえば、4月のイチローの引退試合、さらには先日引退した上原浩治の本拠地球場である。そんなわけで、会場(グラ…
ピースが抜け落ちている感じがした―。 それは昨年9月、弟のリアム・ギャラガーの来日公演を観に行ったときも同様の感情になった。2009年にOasisが解散して、10年が経った。この間、ノエル・ギャラガーは、Noel Gallagher's High Flying Birdsとして、ソロ活…
今年も〈Coachella Fes. 2019 (コーチェラ)〉がYouTubeで配信されました。筆者が注目していたのは、なんといっても初日のThe 1975と、二日目のWeezer。これだけは絶対に観ておきたかった。というのも彼らは今年、日本で開催される〈SUMMER SONIC 2019 (サマ…
新春、そして武道館という神聖な地でのライブ。初詣、あるいは初日の出を拝みに行くような心持だった。この日のライブが始まるまでは——。 一八時半、開演時刻を迎えて間もなく会場は暗転し、大喝采の中メンバーが登場する。いつものようにSEはない。静寂を切…
さとうもか 〈Shibuya O-nest〉で行われたMomのリリース・パーティのトップを飾ったのは、さとうもか。彼女は「今日はYO!Mom君のYO!大事な日だYO!」と、サングラス姿で意気揚々と登場し、披露されたのは「殺人鬼」。効果音を多用したサウンドは、1曲目に…
皆がオアシスの帰りを待っている。自分もそのうちの1人だ。2009年、フジロックに出演した彼らの映像を見て衝撃を受けてからというもの、当時中学生だった筆者はたちまち虜になった。しかしながら、その年の12月に突然起こった兄ノエルの脱退、そしてバンドの…
THE COLLECTORSで作り上げた貫禄と非現実的な世界を拭い去るかのように、自分の世界に染め変えてしまったのはカネコアヤノだった。目尻にキラキラしたラメをあしらったカネコの風貌は、いつも以上に妖精感が増されたような印象を受ける。 1曲目を飾ったのは…
『新木場サンセット 2018』のトップバッターを務めたのはコレクターズだった。昨年デビュー30周年を迎え、貫禄という名の更なるパワーを付けて、新木場COASTのステージに今年もやってきた。 この日の加藤ひさし(Vo.)は、カラフルなモッズスーツ姿ではなく、…
29年連続となったエレカシの日比谷野音ライブは雨だった。今年は外でその演奏を聴くことになったが、雨にもかかわらず日比谷公園は大勢の"外聴き"のファンで溢れかえった―。例年、外で聴くときは決まって公園内にあるフードコートの近くにあるスペースの方へ…
2018年6月、エレカシの29年連続となる日比谷野外大音楽堂でのライブが開催された。最近の野音といえば、"秋"の印象が強いが、今年は6月、"梅雨真っ盛り"の時期に開催された。6月に開催されるのはどうやら10年振りらしい。なぜ久し振りにこの時期なのかについ…
NEW BEAT SQUAREのステージ名にふさわしいフレッシュなパフォーマンスを披露したのは、記念すべき夏フェス初出演のBOYS END SWING GIRLだ。2017年5月に行われた渋谷eggmanでのワンマンライブの成功、そして、若手バンドの登竜門的なイベント『ROAD TO EX 201…
"NEW BEAT SQUARE"でトップバッターを務めたトリプルファイヤ―。ボーカル吉田靖直の、ラッパー呂布カルマとのMCバトルや『タモリ倶楽部』へのテレビ出演で、彼らの"知名度"は徐々に上がってきていた。しかしながら、その"知名度"というのはあくまでも"コア"…
音楽ストリーミングサービス"Spotify"が推薦するライブイベント『Spotify Early Noise Night vol.5』が5月16日、代官山SPACE ODDで開催された。このイベントには、Spotifyのプレイリスト「Early Noise 2018」の、今後ブレイクが期待される新進気鋭のアーティ…
来日公演2日目の4月12日、会場のさいたまスーパーアリーナは超満員。開演時間が過ぎ、会場が暗転する。しばらくすると、オープニングの曲が始まる。スクリーンには歌に合わせて、歌詞が映し出された。Bruno Marsは登場してすらいないのに、それだけで会場の…