三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

三浦的年間ベスト

三浦が選ぶ、年間ベスト・アルバム企画。楽曲単位の、ベスト・トラックも。

三浦的2022年ベスト・アルバム5選――邦楽編

1. 藤井風 - LOVE ALL SERVE ALL 2022年、彼の創り出した音楽は日本を飛び越え世界中で聴かれ、Spotifyのバイラルチャートでは日本人で最も聴かれたアーティストとなった。そのブレイクスルーには、商業的な要素を超えた、救済としての音楽という側面の表出…

三浦的2021年ベスト・アルバム5選――邦楽編

1. 東京事変 - 音楽 2021年、延期されていた東京オリンピックが開催された。椎名林檎は東京2020 開会式・閉会式 4式典総合プランニングチームに就任したものの、2020年12月、新体制によるチームの解散により、開催を待たずして活動を終えることになった。チ…

三浦的2021年ベスト・アルバム5選——洋楽編

www.miuranikki.com 1. Silk Sonic - An Evening with Silk Sonic Silk Sonicは、ブルーノ・マーズとアンダーソン・パークによって結成されたユニットで、2017年から2018年にかけて行われたマーズのライブツアーで、パークはオープニング・アクトをつとめ、…

三浦的2021年ベスト・アルバム5選——洋楽編 (まえがき)

2021年も引き続き、新型コロナウイルスの影響をもろに受けた1年であった。海外のアーティストの来日は、11月にKing Crimzonが来日するまでないというなんとも"鎖国的"な状態が続いた。2020年に延期され、2021年開催予定だったSUMMER SONICも、7月から8月の新…

三浦的2020年ベスト・アルバム5選——洋楽編

まったく... 何考えてんだか。2021年のGWも過ぎたってのに、今頃2020年の振り返りをしてるのはどこのどいつだ? ...まあ、10年経ってもこのページが残っていて、10年後に誰かが読んでいたら、そんなこと誰も気にしないだろう。長いスパンで考えれば、何事もそ…

三浦的2020年ベスト・アルバム5選——洋楽編 (まえがき)

日本人の筆者からしてみれば、2020年に日本以外の音楽、いわゆる洋楽に実感を伴いながら触れることができる機会というのは皆無であった。もちろん、視聴機器を通じて洋楽に触れることはできたのだが、それはあくまでもデータの集合体の表現の話に過ぎない。…

三浦的2020年ベスト・アルバム5選——邦楽編

今回のベスト・アルバムを選ぶ際に、大きく決めたテーマは2つある。一つは"ライブと分断された作品"を選ぶということだ。もっとかみ砕いていえば、ライブで演奏されることが前提になっていない作品を選定するということ。ライブやフェスという半ば当たり前に…

三浦的2020年ベスト・アルバム5選——邦楽編 (まえがき)

2020年は、あらゆるものの構造が変化した一年であった。日本の音楽業界もまた、その変化を余儀なくされたものの一つである——。 日本の音楽業界と言われるシステムの成り立ちを簡単に振り返ってみると、日本において、音楽というものが商業的なモノとして成り…

三浦的2019年ベスト・トラック25選―邦楽編

01. ONE OK ROCK - Head High 彼らは2019年に出したアルバムで、日本のロックシーンという括りから完全に抜け出した。そのためこれを、果たして邦楽として評価していいのかという疑問さえ浮かんでくる。その作品の中でもこの楽曲は特に、彼らの方向性を印象…

三浦的2019年ベスト・トラック25選―洋楽編

01. Billie Eilish - bad guy 2019年、1番聴いたと思う。新たなポップスターの誕生を決定づける曲。ミニマルなサウンドに際立った低音や、リリックからは1990年代のインダストリアルの香りが漂ってくる。ウィスパー・ボイスとのアンバランスさによって、何と…

三浦的2019年ベスト・アルバム5選―邦楽編

1. ONE OK ROCK - Eyes of the Storm ONE OK ROCKは今作で、"日本の"ロック・バンド、という括りを無くすことに成功した。確かに彼らは、日本で生まれ、日本語を母語としている。だがその表現は、サウンドや、歌い方、さらにはリリックの入れ方に至るまで、…

三浦的2019年ベスト・アルバム5選―洋楽編

1. Billie Eilish - WHERE DO WE GO WHEN WE WERE SLEEP? 本作はベース、ドラム・ビート、そしてボーカルという音数の少ないシンプルな構成の中にも、「bad guy」が象徴しているように、低音が強調された楽曲が並ぶ。リリックもダークで破滅的。そんな、1990…

三浦的2018年ベスト・アルバム5選―邦楽編

xxxtomo1128xxx.hatenablog.com カネコアヤノ - 祝祭 2018年の5月だったか、Spotifyのライブ・イベントがあってそれに出演していたカネコアヤノを知って以来、彼女の音楽のとりこになった。あのときは確か4組出ていたけれど、群を抜いた存在感を見せていた、…

三浦的2018年ベスト・アルバム5選―邦楽編 (まえがき)

邦楽というのは、必ずしもアメリカ、あるいはイギリスの流行と直接リンクすることというのはあまりないような感じがします。"ガラパゴス化"なんていう言葉が、日本の携帯電話を揶揄するときに使われたりしましたが、それは音楽においてもきっと同じことが言…

三浦的2018年ベスト・アルバム5選―洋楽編

xxxtomo1128xxx.hatenablog.com Paul McCartney - Egypt Station 今作はポール・マッカートニーの曲を聴くときのワクワク感、高揚感みたいなものが近年の彼の作品の中でも突出して強い感じがする。前作の『NEW』でも、それが感じられたが、はるかに上回って…

三浦的2018年ベスト・アルバム5選―洋楽編 (まえがき)

2018年は、各種音楽メディアのベストアルバムを見てみると、女性アーティストやラップの興隆が目まぐるしい結果となっています。Twitterで流れてきた2018年の「アメリカ Apple Music 年間トップ100」の画像(確証はありませんが)でも、ラップが75%、R&Bが12…