三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

スピッツ

再び回り始めたサンセットの歯車とスピッツ——有明サンセット 2022 ライブレポート その3

エレファントカシマシという観測史上最大級の"嵐"が去った後の会場は、すっきりと晴れ渡っていた。ある意味で最高の御膳立てである。続くステージはイベントの主催者、大トリのスピッツである。彼らの音響システムは、マイクをアンプに置いて増幅させず、ア…

あくまでも素直に受け入れるべき世界——スピッツ「大好物」レビュー

言葉の一つ一つの意味を追うことも、紡がれた言葉にどのような意味が隠れているのか考えることも要らない。これは、何かのメタファーなどではなく、あくまでも素直に受け入れるべき世界なのかもしれない。まるで子どもが絵本という空想の世界の中へ疑いなく…

草野マサムネ 音楽をアルバムで聴くことについて語る

音楽をアルバムで聴くことについて、『SPITZ 草野マサムネのロック大陸漫遊記』にてスピッツの草野マサムネ氏が語っていました。気になったので、少しばかり書き起こしをすることにします。以下書き起こし。 これはですね、広島県の方からです。「学校の友達…

初夏、草原、さわやかな風—スピッツ「優しいあの子」レビュー

初夏の広大な草原で、さわやかな風に吹かれている——。スピッツの通算42枚目となるシングル「優しいあの子」を一聴したときに、パッと浮かび上がってきたのは北の端にある牧歌的な風景。そしてそこでは、『ロード・オブ・ザ・リング』に登場する、遊牧民族の…

港町の風景、そして路地裏の生活感―スピッツの『インディゴ地平線』レビュー

スピッツの7thアルバム『インディゴ地平線』(1996)には、現代において失われつつあるひっそりと生活が根付いているような風景がそのまま"音"として表現された感じがある。 「花泥棒」は、細い路地裏を抜けると突如現れてくる、煤けた壁の色と花の鮮やさがコ…

「ド・ド・ドーンと集結!!〜夢の競演〜」ライブレポート (スピッツ編)

何とも歴史的な夜だった。2018年3月18日、エレファントカシマシとスピッツとMr.Children、そうそうたる顔ぶれがさいたまスーパーアリーナを舞台に一堂に会した。3バンド合わせてCDの総売り上げ枚数は一体何枚になるんだろうか、そんな愚問が脳裏をよぎる。そ…

花の写真 / スピッツ

スピッツ13枚目のアルバム『とげまる』(2010)に収録されている曲。カントリー調で明るく、軽やかな曲調には何とも悲しく、切ない歌詞が乗せられている。 小さなカメラがつないでる 切れそうで切れない細い糸 取り残されてるような 古ぼけた街で そういえば去…