三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

悪酔終列車――終電を逃せし男

「お客さん、お客さん、終点ですよ」ハッと目が覚める。此処は何処――。気が付いたら知らない場所にいた。無論、来るべきではない終着駅のことである。ひとまず車両から出てホーム内を右往左往する。電車に乗る前のことについて思い出してみる。確か――。府中…

チバユウスケが死んだ日――EとF

E 「Part of the Journey is the End」2023年12月5日。チバユウスケが死んだその日、友人Eからこのようなメッセージが届いていた。旅は必ず終わる――。アメコミ映画の主人公が確かそんなことを言っていたっけ。無論それは、チバユウスケのことを指していると…

チバユウスケがいた日――新大久保、ガードレール、チーズハットグ

チバユウスケが死んだ。食道ガンだった。2023年4月、その病状が公表されて以来、一度も表舞台に上がることができぬまま帰らぬ人となった。あれほどのロックスターもガンには勝てなかった。しばらくの間、悲しみに暮れ、何も書くことができなくなった。療養中…

平成学生回想録 ラウンドワン編

ラウンドワン 秋田店が開業したのがいつだったかと調べてみると、とあるサイトの隅の隅に、2006年12月21日と書いてあった。オープン当初はCMが頻繁に放映されており、当時一世を風靡していたお笑い芸人の長州小力が出演していた。ラウンドワンができる前は、…

エレファントカシマシ(+宮本浩次)のオマージュに関する考察 (2019-現在)

2019年2月、エレファントカシマシのフロントマン宮本浩次は、ソロデビューを果たす。楽曲はこれまでエレファントカシマシの枠にとらわれない自由な作風が軒を連ね、ソロとバンドとの差別化が顕著に見て取れた。そこで忘れてはならないのが、やはりオマージュ…

エレファントカシマシのオマージュに関する考察 (1988-1999) 後編

エレファントカシマシのオマージュに関する考察 (1988-1999) 前編 www.miuranikki.com 9.「暮れゆく夕べの空」(1994) | Pink Floyd - Breathe (In the Air) 冒頭の印象的なフレーズは、Pink Floydの「Breathe」を彷彿とさせる。だが、「暮れゆく夕べの空」の…

諏訪に行った日のこと 後編――諏訪大社と友人A

12時20分頃上諏訪駅に到着し、レンタルしていた電動自転車を返却する。この日は友人Aがちょうど地元の諏訪に帰省していたとのことだったので、午後から一緒に回ることになっていた。Aに電話をしてみると、駐車場からAが現れた。どうやらちょうど到着したのだ…

諏訪に行った日のこと 前編――映画『怪物』のロケ地を巡る

朝6時前、家を出る。外の気温は既に上がってきていた。海の日。長野の諏訪へと行く。特急あずさが発着する新宿駅には7時過ぎには到着した。スピッツが「Sandie」で"魔境"と形容した新宿駅のことだから、もっと迷うかのと思ったが、山手線からあずさの乗り場…

スーパースターを目撃した日――沢田研二 LIVE 2022-2023「まだまだ一生懸命」ツアーファイナル バースデーライブ! ライブレポート

日曜。会場のさいたまスーパーアリーナに向かうまでの道は、コクーンシティさいたま新都心に行く人の波も相まってとても混んでいた。会場に近づいていくにつれ、指数関数的に年配者が増えてくる。他方で自分と同じ20代の姿は反比例するかのように減少してい…