2020-01-01から1ヶ月間の記事一覧
派手さはないが、傑作——。 『俺の道』(2003)から『風』(2004)までのエレファントカシマシはある種、商業主義から完全に逸脱している。この時期はやはり、セルフ・プロデュースであるという点が大きいように思えるが、世間に向けて、分かりやすくパッケージン…
01. ONE OK ROCK - Head High 彼らは2019年に出したアルバムで、日本のロックシーンという括りから完全に抜け出した。そのためこれを、果たして邦楽として評価していいのかという疑問さえ浮かんでくる。その作品の中でもこの楽曲は特に、彼らの方向性を印象…
01. Billie Eilish - bad guy 2019年、1番聴いたと思う。新たなポップスターの誕生を決定づける曲。ミニマルなサウンドに際立った低音や、リリックからは1990年代のインダストリアルの香りが漂ってくる。ウィスパー・ボイスとのアンバランスさによって、何と…
エレファントカシマシの歌詞に、フォーカスを当てていく企画。今回は、2004年リリースの『扉』に収録されている「地元の朝」について。以下に載せたのは、その冒頭部分の歌詞である。まずは、こちらを読んでみていただきたい。 ある日 目覚めて電車を乗りつ…
デビュー20年の節目となる年にリリースされた『三毒史』は、椎名林檎のこれまでのキャリアの総括、という意味合いだけではなく、もはや日本の音楽史の一つの総括である。収録されている13曲中6曲は、ゲストボーカルを据えたもの。中でも、1990年代から第一線…
1. ONE OK ROCK - Eyes of the Storm ONE OK ROCKは今作で、"日本の"ロック・バンド、という括りを無くすことに成功した。確かに彼らは、日本で生まれ、日本語を母語としている。だがその表現は、サウンドや、歌い方、さらにはリリックの入れ方に至るまで、…
1. Billie Eilish - WHERE DO WE GO WHEN WE WERE SLEEP? 本作はベース、ドラム・ビート、そしてボーカルという音数の少ないシンプルな構成の中にも、「bad guy」が象徴しているように、低音が強調された楽曲が並ぶ。リリックもダークで破滅的。そんな、1990…
柴田聡子の歌声にはつかみどころがない。メロディーによって敷かれた"音程の道"を、正確に歩むのではなく、道草を食いながら、あっちこっち往来をする——。通算4枚目となった『愛の休日』(2017)では、そんな彼女の歌声の特徴が、見事"旨味"となって引き出され…