三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

強風と後悔の球場で——SUMMER SONIC 2019 に行ってきた その1

SUMMER SONIC 2019の1日目に行ってきた。台風10号の影響とマリンスタジアム特有の浜風との相乗効果によって、この日の会場はとんでもないくらいに風が強かった。割と冗談抜きにして、外野フライがキャッチャーフライになるくらいの風じゃなかったかと思う。筆者は午前中から基本的にマリンステージのスタンド席(3塁側のホームベース寄り)に居座って強風の脅威にさらされながらだらだらと観ていた。当たり前のことではあるが、普段は野球場として使われている場所が、巨大な音楽のステージに変わってしまうんだからすごいなと思った。だって、観客が盛り上がっている場所のシートを一枚剥がしてしまえば芝生のグラウンドがあって、数日前まではそこで試合をやっていたんですよ、すごくないですか(すごくない、か……)。

 

球場のコンコースに出ると、大きな白いボードが目に入った。どうやら千葉ロッテマリーンズが遺した産物のようである。中央にはスローガンと思われる"マウエ↑"というコピーが書かれていて、その空白を埋めるように選手たちのサインやファンのメッセージがぎっしりと書かれている。ただ、だれもそれに目を止める人はいない、それどころかそれが存在しないかのように皆通り過ぎて行ってしまうのである。ここは果たして本当に野球場なのか。千葉ロッテマリーンズ、あるいは野球というスポーツはまるっきり幻想なのではないか、たちまち恐ろしい感情になってうなだれていると、センターバックスクリーンの方から、WANIMAのはつらつとした歌声が聞こえてきた。

 

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今でも後悔していることといえば、そのあたりでSONIC STAGEのサム・フェンダーとPale Wavesを観に行けばよかったということだ。いきなり後悔の話になってしまったが、ちょうどその時間のマリンステージは[Alexandros]、WANIMA、YUKIと続いていた。まあ、彼らのライブもなかなか観る機会がないだろうし、暑いし、移動時間を考えるとなぁと思い、とりあえずという感じで観ていた。当時の自分に言いたい、そもそもサマソニって海外のアーティストを観に行く絶好のチャンスじゃないか……。なぜ、SONIC STAGEの彼らを観に行かない。なにが「どうもこんにちは、剛力彩芽でーす!」だ(WANIMAのMC)。しかも室内で、風も吹かない快適な空間のはずじゃないか。どうして強風に吹かれて「下ネタ言います!セックス!」(WANIMAのMC)という発言に苦笑していなければいけないのだろうか。家に帰ってYouTubeの再放送でサム・フェンダーとPale Wavesのパフォーマンスを観て後悔し、今こうして書いていてまたまた後悔している。その続きを書く気力もない。

 

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