三浦日記

音楽ライターの三浦智文が、日記のようにつらつらと書いていくブログ

B'zファンとYUKI―SUMMER SONIC 2019 に行ってきた その2

 サマソニはMARINE STAGEのスタンド席でだらだらと観ていたが、YUKIおよびWeezer以降のアクトを少しでもいいポジションで観るべく、WANIMAが終わった転換作業のときグラウンド上(アリーナ席)に降り立つ。午後3時を回ってもなお、人が密集しているからだろうか、あれだけ吹いていた風が全く届かなくなり、かなり蒸し暑い。持っていたアクエリアスもまもなく2本目が空になりそうだった。

 

 暑さに辟易しているとYUKIのパフォーマンスが始まった。いつまでも若々しい、フレッシュだ―。サウンドはかなりグルーブ感があって、所々でアグレッシブなギターのサウンドが入り込む。セットリストもかなりフェス向けといった感じで、立て続けに新旧の代表曲が演奏されていく。ふと前方にいる観客が視線に入った。彼はパフォーマンス中、しきりに時計を気にしている。そしてリストバンドには"HINORORI"、Tシャツには"Whole Lotta NEW LOVE"の文字。言うまでもなく、B'zを心待ちにしているのだと一発で分かった。にしてもトリの彼らまではあと4時間、なんという忍耐力なのだろうか。

 

 YUKIのパフォーマンス中、そんなB'zファンの彼の行動が気になった。というのもB'zとYUKI、さかのぼればB'zとジュディマリ。90年代のロックシーン的に考えてみても、対バンなんぞ絶対に考えられないし、とんでもない食べ合わせなのである。もう、プリンアラモードをつまみにボイラーメーカーを飲むようなものだ。彼はいったいどんなリアクションを…あれ、スマートフォンを眺めている。しかもマンガらしきものを読んでいる…。サマソニという名のB'z一点買い(?)、そこからは潔さすら感じられる。そのたたずまいに感服しているうちにも、YUKIは縦横無尽にステージを回り、笑顔を振りまきながら、会場のボルテージをどんどん上げていく。なんと幸福な時間なんだろう。

 

 代表曲「ワンダーライン」のときに再びB'zファンの彼に視線をやってみると、スマートフォンをしまい、じっとステージを眺めている。そして心なしか音に合わせて揺れているではないか。続く「JOY」のサビに差し掛かったとき、にわかに信じられない出来事が起こった。今度はジャンプをしてノリ始めたのである。その後ろ姿だけであったが、おそらく恍惚の表情を浮かべていたはずではなかっただろうか。YUKIの魔法にかけられた一人の青年を観た。

 

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