三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

【トルコ滞在記16】暑い時こそ熱い飲み物を!?

日本の夏、ジリジリと陽が照って、熱風が吹き荒れ、生きとし生けるものは無残にもカラカラに乾いてしまう。そんなとき、我々は何を飲むだろうか。風通しの良い縁側に避難して、風鈴の音でも聴きながら冷たい麦茶だろうか。それともコンビニに駆け込んで、キンキンに冷えたコーラだろうか。最近だとポカリスエットやアクエリアス、さらには経口補水液なんていうのも出ているが、そうした水分補給に適した飲み物だろうか。おそらくは大体、そんな感じだと思う。

 

では、トルコでは暑い時何を飲むのか。それは、チャイ(Çay)である。それも"ホット"。チャイというのは紅茶のことであるが、トルコの人たちはどんなときにもこれを欠かさない。もちろん、売店に行けばコーラやスプライトをはじめとした清涼飲料水も売られているのだが、トルコの人たちは基本的にこの熱いチャイを好む。チャイはティーバックで淹れる英国式の紅茶と違い、専用の二段式のポットで淹れられる。下段でお湯を沸かし、上段で茶を抽出する。飲むときはこれまた専用のくびれの付いたチューリップ型のグラスを用いる。上段の茶だけでは非常に濃く渋いのでお湯で薄め、さらに角砂糖を入れ(結構入れる)、基本的にミルクは入れずに飲む。

 

そんな熱いチャイを飲んで、果たして暑さはしのげるのだろうか。初めは半信半疑だった筆者も、実際に飲んでみるとなんとなくその理由が分かった。というのも、チャイを飲んでいると汗が出てきて、それがたちまちスーッと蒸発してしまう。で、その瞬間というのは本当に涼しい。とはいえこのチャイがもたらした発汗の涼しさというのはある意味、乾燥したトルコの気候がなせる業である。これが日本でできるかといったら非常に難しいところ。ご存じの通り日本の夏は、とにかく湿度が高い。汗が出ても、すぐに蒸発せずじっとりと肌に残る。夜になってもなお暑い、そしてあちらこちらで蚊が飛んでいる。カフェの外で優雅にくつろぐなんて言うのはもはや言語道断。やせ我慢大会を強いられるようなものだ。

 

いやはや、高温多湿反対、高温乾燥万歳。来年の夏にはいよいよ東京オリンピックが開催されるが、他の国の人たちは日本の暑さをどう感じるのだろうか。少なくとも"おもてなしの心"はその気候からは感じられないはずである。そういえば2020年のオリンピック誘致の時、トルコのイスタンブルが開催地の候補に挙がっていた気がするけれど、少なくとも野外で行うスポーツに出場する選手たちのコンディションを考えれば、イスタンブルもアリだったのかなと思う今日この頃であった。

 

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これは、アンタルヤの海辺を見ながら優雅にチャイを…というわけではなく、インターネットから引っ張ってきたフリー画像。チャイは毎日のように飲んでいたのに、アルバムをいくら探してもその写真を見つけることはできなかった。灯台下暗しとはよく言ったものだ…。