三浦日記

音楽ライターの三浦智文が、日記のようにつらつらと書いていくブログ

揉みくちゃでWeezer―SUMMER SONIC 2019 に行ってきた その3

 なんか欽ちゃんの仮想大賞みたいなタイトルになってしまった。18番、揉みくちゃでWeezer、普通にありそうだ。そんなことはさておいて、Weezerはアリーナ席のかなり前の方で観ることができた。前のYUKIから戻る客の勢いを利用して前へ前へと進んでいくと、図らずも前か10列目くらいのところにたどり着いた。やはり密集しているからなのか、午後も4時を回ったというのにとにかく暑い。周りを見渡すと、30-40代くらいの男性が多く見られた。おそらく彼らはリアルタイムでWeezerを追い続けてきた強者なのだろう。

 

 今回はどんな曲をやるのだろうか。ただ、ワクワク感はなかった。その予想は分かり切っていた。というのもここ数年Weezerは、『Weezer (White Album)』(2016)以降の作品を演奏することはほとんどなく、代わりに『Blue Album』、『Green Album』、『Red Album』、『Pinkerton』から演奏されることがほとんどだったのである。思えばリヴァースは最近のセットリストに関して、昔のギターロックバリバリの楽曲に今の若い子たちは新しいノリで盛り上がってくれて、新鮮な一面が見られると語っていた。確かに今年のコーチェラをYouTube配信で観たときは、圧倒的に20代の、それこそビリー・アイリッシュに熱狂するような音楽ファンが盛り上がっているようにみえた。しかしながらここは日本。先ほども書いたように圧倒的に3、40代の古参Weezerファンが多かった。

 

 いざライブが始まってみると、案の定、初期の楽曲が多く披露された。意外だったのは、日本で評価が高いとされている『Pinkerton』から一曲も演奏しなかったということだ。近年の楽曲といえば、『Weezer (Teal Album)』(2019)から、TOTOの「Africa」とA-haの「Take On Me」のみ。せめて最新作の『Black Album』から一曲くらいはやってほしかった。そんな自分の腑に落ちない感情とは裏腹に、かつてのキラー・チューンが演奏されると、「これ、これ、待ってましたよ~!!」と言わんばかりにボルテージはとんでもないくらいに上がっていく。そしてライブは「Say Ain't So」の大合唱で締めくくられた。

 

 あれ、ここってZOZOマリンスタジアムだよな、千葉マリンスタジアムで、ミスターロッテ初芝清がブイブイいわしてた頃じゃないよね。ここだけ1990年代にタイムスリップしたかのように思えた。今年のノエル・ギャラガーの来日公演のときも同じような気持ちになったのだが、あまりにも予定調和に映ってしまうのだった。過去の栄光に、ファンが当時と同じように熱狂する。Weezerは、ギターの鳴りを潜めたエレクトロな路線で最新作を出し、ライブでは初期の曲を演奏することでそのコントラストを際立たせているように思えるのだが、どうも今回のアクト、というかオーディエンス側の方は前者の部分が欠落しているような感じがしてしまったのである…。

 

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