三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

B'zはモンスターバンドだけれども——SUMMER SONIC 2019に行ってきた その5

こんなブログを見つけた。言わんこっちゃあない。"ピンヘッド三浦"というなんとも馬鹿げた人間がやっているブログである。ここではサマソニに出演するのB'zとニューアルバムについて、高らかに書き連ねられている。当時の筆者はよっぽど高揚していたということがうかがえる。

pinheadmiura.blogspot.com

 

いざ、サマソニが終わってみると、その印象というのはヘッドライナーのB'zよりも圧倒的にThe 1975の方が色濃く残っている。それはなぜだろうかと考えてみたら、やっぱり、B'zは内向きな感じがしてしまったのである。もちろん、彼らのパフォーマンスはすさまじいものがあった。今年のさいたまスーパーアリーナで行われた新作のツアーのLIVE GYMでは、明らかに進化を感じることができたし、衰えなんてなんていうのは一切感じられなかった。ただ、サマソニに集まった音楽ファンを一斉に熱狂させるほどのものではなかったと思ってしまうのである。あの破滅的で儚いマシュー・ヒーリーのロックスターっぷりを見せられてしまうと、日本の頂点に君臨する男、稲葉浩志をもってしてでも霞まざるを得なかった。

 

迫力という面に関しても、B'zからはそれほど感じることができなかった。というのも演奏の音が左右に振れていて、自分が見ている方の音量が大きくなったと思えば、急に反対側の方に音が遠ざかって行ってしまうような、ばらつきを感じてしまったのだ。これは強風の影響なのだろうが、楽器のアンプやドラムにそれぞれ集音マイクをつけて、外の大きなスピーカーで音を増幅させるB'zのクラシックなスタイルはかなり誤算だったといえるではないだろうか(とはいえいきなりThe 1975のようにラインで音を送り外のスピーカーから出すやり方を急にやるというのも無理な話ではあるが……)。やはり、音の聴こえ方というのは重要だなと思った。

 

そして、セットリストの方も2017年、ロックインジャパンに出演した時よりもあまりピンとこなかった。というのも前回のフェス出演の時は、近年の曲を中心に演奏するものの、『名探偵コナン』やドラマのタイアップ曲を多く演奏し、随所に90年代の代表曲をもってくるという構成で、フェスに集まるオーディエンスに合わせたものになっていたのだ。しかしながら今回のサマソニは、今年回っているツアーのそのままの短縮版といった感じで、確かに現在のB'zをそのまま表現する、ということに関しては満点のセットリストではあったが、オーディエンスを熱狂させられるほどの力を持ったものではなかったように思えてしまった。

 

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とはいえ、彼らは日本人初のヘッドライナーである。おそらく日本人でこの役目を務められるのは紛れもなくB'zしかいないだろうし、日本はおろか、世界に誇れるバンドだと思う。これは早く世界に広めるしかないのではないか。と思い、YouTubeのライブ配信のラインナップを見てみる。彼らの姿は載っていない。ふとSpotifyを開いてB'zと検索してみる。彼らの作品はヒットしなかった。こうした外向きの、フェスという媒体の出演を通じて今後、B'zに何らかの変化がもたらされることを願う……。

 

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