エレファントカシマシ
宮本のソロ活動がついに本格的に始動した。その皮切りとなるのが、今月6月12日に行われるソロライヴ〈ソロ初ライヴ!宮本、弾き語り〉だ。そして、その会場に選ばれたのはなんと、LIQUIDROOM。キャパシティーは約900人程度と、需要と供給が日比谷野音でのラ…
先日リリースされた、宮本浩次の2作目となるソロ・シングル「解き放て、我らが新時代」。一聴したときに感じたのは、エレファントカシマシの2000年代初頭の頃の作品。この時期の彼らといえば、宮本のソロ・ワーク的な作品が続いていたが、そんな『good morni…
「桜の花、舞い上がる道を」。この曲は、桜の季節になると無性に聞きたくなってくる。桜の風景をみていると、楽曲が脳内で再生され、見事な融合を果たすのである。そんなわけで、今年もこの曲について、つらつらと書いてみることにした―。 東京の方では、桜…
エレファントカシマシのボーカリスト、宮本の歌声。それはどこで最も映えるかというという問いがあれば、間違いなくライブであると答えるだろう。ライブが音源と異なるのは、空間的な反響の音を感じられるということだ。宮本の、ライブでの歌声を例えるなら…
新春、そして武道館という神聖な地でのライブ。初詣、あるいは初日の出を拝みに行くような心持だった。この日のライブが始まるまでは——。 一八時半、開演時刻を迎えて間もなく会場は暗転し、大喝采の中メンバーが登場する。いつものようにSEはない。静寂を切…
「人生とは、美しいアルバムではなく、撮れなかった写真だと思う」 この言葉は、東京スカパラダイスオーケストラの谷中敦が、とある番組で紡ぎだした言葉で、元々はビヨンセの、「人生とは、何回息をするかではなく、何回息を飲む瞬間があるかだと思う」とい…
二〇一八年、平成から新年号に移り変わる潮目に、椎名林檎たっての希望で叶えられた、宮本浩次の"客演"。だが、これは決して"客演"なんかではない。三十年もの間、これまで共に戦ってきた仲間を残し、一人佇む齢五〇過ぎの男が、不惑の余裕をにじませた策士…
29年連続となったエレカシの日比谷野音ライブは雨だった。今年は外でその演奏を聴くことになったが、雨にもかかわらず日比谷公園は大勢の"外聴き"のファンで溢れかえった―。例年、外で聴くときは決まって公園内にあるフードコートの近くにあるスペースの方へ…
エレカシの23thアルバム『Wake Up』(2018)の7曲目の「自由」を聴いていたとき突然、ある物語の伏線が回収されたかのような感覚を覚えた。というのも「自由」と、「シグナル」『町を見下ろす丘』(2006)の世界観が重なったからだ―。 「シグナル」の歌詞に登場…
エレカシの23thアルバム『Wake Up』のデラックス盤には2017年、47都道府県を回ったツアー〈30th ANNIVERSARY TOUR “THE FIGHTING MAN” TOUR〉の富山オーバード・ホールで行われたライブのCD音源が同封されている。エレカシの30周年ライブといえば、2017年3月…
今から30年前、エレファントカシマシは『THE ELEPHANT KASHIMASHI』で"衝撃の"デビューを飾る。そして20年前には『愛と夢』でラブソングを歌い、10年前には『STARTING OVER』で再び世間から脚光を浴びる。そしてデビューから30年目となる2018年、『Wake Up』…
エレカシの新曲「Easy Go」、つい先日はYouTubeにて『宮本から君へ』のオープニング映像が、そして昨日はミュージックビデオのショートバージョンが公式アカウントで公開された。 ミュージックビデオ、度肝を抜かされた。音楽に比例するようにギターの演奏そ…
エレファントカシマシの「さよならパーティー」は、ユニバーサル・ミュージック移籍後の第1弾アルバム『STARTING OVER』(2008)に収録されている。前作の『町を見下ろす丘』(2006)と比べると、この曲の収録されているアルバムはポップでキャッチ―な曲が多く並…
『RESTART / 今を歌え』の初回限定盤には『日比谷野外大音楽堂2017 セレクション』がボーナスCDとして付いてくる。そして、これが何ともすばらしいのだ。日比谷野音ライブの空気感までもがそのままCDに凝縮されている感じがして、野音の外で聴いているような…
いよいよトリのエレカシの出番を迎える。30周年の、しかも"スペシャル"であっても、いつものように登場の際のSEはなし。拍手と歓声の中、メンバーは至ってシンプルに登場する。テンション低めに何かぼそっと言い放った後、一瞬の静寂に包まれたかと思えば、…
xxxtomo1128xxx.hatenablog.com スピッツの出番が終わり、次のバンドの転換作業に入った。万全の状態で次を迎えるべく、ここでトイレへと向かう。空いてるだろうと思って少し遅れてトイレへ向かったのが誤算、トイレには長蛇の列ができていた。仕方なく並び…
何とも歴史的な夜だった。2018年3月18日、エレファントカシマシとスピッツとMr.Children、そうそうたる顔ぶれがさいたまスーパーアリーナを舞台に一堂に会した。3バンド合わせてCDの総売り上げ枚数は一体何枚になるんだろうか、そんな愚問が脳裏をよぎる。そ…
大学に入学するにあたり、埼玉の郊外で一人暮らしを始めた。自分の住む場所は高度経済成長期の真っ只中に造られた、"マンモス団地"と呼ばれる住宅団地の一角にある。夕暮れ時、大学からの帰り道。住宅街の真ん中にオアシスのようにぽつんとある公園では子供…
2017年の日比谷野音で開催されたライブで「武蔵野」が演奏された時である。日比谷公園の自然とビル群の風景に、曲が溶け込み調和していく感覚を覚えた。というのも宮本は、曲が始まる前に、 甲州街道を僕は行くあゝ遠くの山まで 山まで行く こんな歌詞で即興…
大学受験に失敗し"浪人生"をやっていた時期が自分にはあった。自分の浪人生活というのは寮生活で、自室には参考書以外はほとんど持ち込んでおらず、入試が近づいてくるとさすがに気が滅入ってきていた。朝夕がぐっと寒くなり、雪がちらつくようになった頃、…
「桜の花、舞い上がる道を」は、『昇れる太陽』(2009)に収録されている。アルバムのクライマックスにふさわしい、壮大な曲といえるだろう。宮本の華があって力強い歌唱には、ストリングアレンジが映える。この曲では宮本の歌唱力の高さをうかがうことができ…
ongakubun.com ロッキンオンの『音楽文』に掲載されたもののリマスター版。掲載されたバージョンは書きたいことが多すぎてやたらと長ったらしくなってしまった。今回はその反省点を踏まえ、かなりの推敲を重ねた。多分以前よりは読みやすくなっていると思う。…
エレファントカシマシは、日比谷野外音楽堂(通称"野音")でのライブをデビュー以来、毎年のように行っている。ここ最近だと、彼らの長年積み重ねられた歴史によって、"聖地"のように祀られるようになってきてしまっている。このライブには、彼らの"歴史"と都…
今回の記事は以前ロッキンオンの『音楽文』に掲載された文章の"リマスター版"。エレカシの日比谷野音が開催される際の"聖地"という言葉が。聖地とは宗教的な意味合いを持つものだが、転じてサブカルチャーにおいて重要な意味を持つ地域を指す場合も見受けら…
再レコーディングアルバムと言えば、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが2016年に『ソルファ』(2005)を再レコーディングした『ソルファ(2016)』が上がるだろうか。エレカシは、そのキャリアにおいてこれまで22枚のオリジナルアルバムを出しているが、再レコーディン…
どこにでもあるようなありきたりの音楽は、ありきたりの評価のまま終わり、しまいには世間から忘れ去られてしまう。クリープハイプの音楽がそうでないとすれば、ありきたりではない、特別感のようなものは何だろう―。 「百八円の恋」はキャリア通算4枚目の『…
「もしもエレカシがカバーアルバムを出したら」の後編。ここではTrack11とBonus Trackを載せている。11. スローバラード/RCサクセション、BT1. Paint It, Black/The Rolling Stones、BT2. Touch Me/The Doors、BT3. Aerosmith/The Farm
「もしもエレカシがカバーアルバムを出したら」の中編。ここではTrack5からTrack10が載っている。5. 空が鳴っている/東京事変、6. いとしのエリー/サザンオールスターズ、7. 喝采/ちあきなおみ、8.サムライ/沢田研二、9. ファイト!/中島みゆき、10. 主人公/…
これまでエレファントカシマシは様々な楽曲をカバーしてきたが、音源化されているのは「翳りゆく部屋」のみ。そんなわけでエレカシのカバーアルバムがもしもできるとしたら収録してほしい曲を、自称エレカシマニアの不肖三浦が独断と偏見で選んでみたい。1. …
「東京からまんまで宇宙」は『MASTERPIECE』(2012)に収録されている。以前書いた『RAINBOW』(2015)が彼らの転換期だとすれば、 xxxtomo1128xxx.hatenablog.com このアルバムの頃はその直前であり、バンドとしてのひとまずの到達点を迎えた段階といえる。この…