三浦日記

音楽ライターの三浦智文が、日記のようにつらつらと書いていくブログ

もしもエレカシがカバーアルバムを出したら (後編)

いよいよ後編。以下の記事は前編、中編。

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Track 11. スローバラード/RCサクセション

「スローバラード」はNHKの『The Covers』で演奏された。最初は囁くように優しく歌い、サビにかけて力強い歌唱になっていく感じは、忌野清志郎のイズムを継承しつつも、しっかりと自分の歌のように昇華させているように見受けられた。それは30年にもわたる彼らのキャリアで培われてきたものなのかもしれない。RCサクセションはエレカシの原点であり、多大な影響を与えた。彼らはアマチュア時代、RCサクセションの『BLUE』というアルバムを全曲コピーしていたというからそれこそ筋金入りのマニアだったといえる。初期の宮本の歌い方なんかは清志郎そのものである(今でも初期の歌を歌うときは清志郎チックな歌い方に豹変する)。そんなわけで、RCの曲は何が何でも入れるべきで、是非ともアルバムのトリを飾ってほしい。最後にふさわしい最高のバラードだと思う。

 

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番外編ではないが、Buzz Feed Japanの質問コーナーで「これからカバーしてみたい曲はありますか」という質問に宮本は、「海外の曲をやってみたい。The Rolling Stonesとかやってみたいですね」なんて答えていた。そこでエレカシにカバーしてほしい洋楽をボーナストラックと称して3曲ほど選んでみた。

 

Bonus Track 01. Paint It, Black/The Rolling Stones

The Rolling Stonesは言わずもがな宮本が影響を受けたバンドの1つである。エレカシは30周年を迎えベテランの域に達しているが、未だに進化を止めない。宮本は日々摂生し、ストイックに音楽に向き合い続けている。その姿はいよいよStonesのMick Jaggerと重なってくる。Stonesは50周年を迎え、Mickは70歳を超えているが、いまだに現役バリバリだ。そんなわけで宮本にはこの曲を思いっきり"日本語訛り"の英語で歌ってほしい。日本のStonesは俺たちだと言わんばかりに。結構"様"になると思う。

 

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Bonus Track 02. Touch Me/The Doors

宮本はThe Doors、特にJim Morrisonがボーカルだった時代が好きで、度々影響受けたと語っているが、確かにボーカルの Jim Morrisonの立ち振る舞いを見ていると、ああ、宮本は本当に彼にあこがれていたんだなということが伺える。胸元の開いた黒いシャツで「我こそが主役だ」と言わんばかりに歌う姿なんていうのはまさにJim Morrisonである。この曲はストリングスやホーンセクションが入っていて日本の70年代の歌謡曲っぽいテイスト(個人的には尾崎紀世彦の「また逢う日まで」感がすごいと感じた)があって日本人が歌っても遜色がないような感じがする。近年のエレカシも管弦楽隊を交えてライブやレコーディングを行うことが度々あるから、今のバンドの体制的にもぴったりの曲ではないかと思う。忌野清志郎みたいに和訳して歌うというのも意外とありかもしれない。

 

 

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Bonus Track 03. Aerosmith/The Farm

この曲が収録されている『Nine Lives』の頃のSteven Tylerは49歳で、バンドとしては第2次黄金期を迎えていた。この頃のAerosmithは何となく今のエレカシのメンバーの年齢的にもバンドの状況とも重なる。病気を乗り越えた宮本は生活習慣を見直したことで今まで以上にコンディションが良くなった。ボーカルとしてのクオリティはおそらく50を迎えた今現在がピークであろう。それが相乗効果的にバンドにも好影響をもたらし、バンドとしても今が一番いい状態だと思う。

 

彼らの黄金期は30周年の"今"なのである。不思議なもので宮本は声が出るようになったせいかSteven Tyler的な金切り声を度々発するようになった。だから多分Aerosmithも無理なく(?)歌えると思う。そんなエレカシが奏でる脂が乗りきったこの頃のAerosmith、是非とも聴いてみたい。エレカシが「ハロウィンライブ」なんて俗なことは絶対にしないだろうけど、そんなものがあるなら宮本には顔には化粧を施しアクセサリー付け、ギラギラの衣装を身に纏って「RESTART」のPVの時のようにこの曲を歌ってほしい。

 


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今回考えてみたカバーアルバムに入りきらなかった楽曲は沢山ある。なにしろ11曲という制限の中で厳選しないといけなかったから、選ぶのには非常に悩んだ。それだけ宮本浩次という男は何を歌っても「自分の歌」にしてしまうという超人的な能力を持っているということである。彼は多分ミュータントだ、X-Menに出ていてもおかしくないくらいだ。そんな"ミュータント"宮本がまだまだ元気なうちに早いところ音源として残してもらいたい、そんな切実な願いを込めてこの記事を書き終えることにする。【ほぼ日刊三浦レコード20】

 

『エレカシ カバー作品集』曲目一覧

Track 01. やさしくなりたい/斉藤和義
Track 02. ロビンソン/スピッツ
Track 03. ハロー・ハロー/Superfly
Track 04. 花の匂い/Mr.Chirdlen
Track 05. 空が鳴っている/東京事変
Track 06. いとしのエリー/サザンオールスターズ
Track 07. 喝采/ちあきなおみ
Track 08. サムライ/沢田研二 
Track 09. ファイト!/中島みゆき
Track 10. 主人公/さだまさし
Track 11. スローバラード/RCサクセション
Bonus Track 01. Paint It, Black/The Rolling Stones
Bonus Track 02. Touch Me/The Doors
Bonus Track 03. Aerosmith/The Farm

 

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