三浦日記

音楽ライターの三浦智文が、日記のようにつらつらと書いていくブログ

「ド・ド・ドーンと集結!!〜夢の競演〜」ライブレポート (Mr.Children編)


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スピッツの出番が終わり、次のバンドの転換作業に入った。万全の状態で次を迎えるべく、ここでトイレへと向かう。空いてるだろうと思って少し遅れてトイレへ向かったのが誤算、トイレには長蛇の列ができていた。仕方なく並び、用を足した後急いで会場へ戻る。するとすでに会場は暗転し、ミスチルの「prologue」が流れていた。これはまずい、急いで席へ戻ろうとする。しかしながら暗闇で足元が全く分からない。そうこうしてもたついていると、今度は会場が突如白色の光に包まれ、ミスチルのメンバーがステージ上に見えた。

 

一曲目は「Everything (It's you)」。曲が演奏され始め、途轍もなく焦る不肖、再入場にはチケットの提示を求められるが、今日に限って電子チケット。チケット画面に中々切り替えられない、ここでももたつく。スタンド席を通過し、アリーナ席になんとか再入場できたが、"焦り"というのは恐ろしいもので、自分の席がチケットに表示されているのにそこにたどり着けない。あんまり右往左往すると、他の観客に迷惑になると思い、PAの後ろの方の関係者らしき人が立って観ているスペースに取り敢えず避難する。

 

そうこうしているうちにミスチル2000年代の大ヒット曲「HANABI」が演奏される。ボーカルの桜井の声はよく出ていた。CDと変わらないような歌声に驚いた。ストイックに体型と若々しい歌声を維持し続けている姿勢は流石日本トップクラスのバンドのフロントマンである。そんなことを考えながら、そこでしばしこの名曲を噛み締める様にして聴いた。

 

この辺で落ち着きを取り戻した不肖、曲が終わった瞬間に動き出し「innocent world」のイントロ部分の時に席を発見し、ようやく席に戻ることができた。この曲も言わずもがなの名曲。空で歌えるぐらいに聴き込んでいたから本当に感動した。桜井は客を上手に煽り、最後のサビの部分は観客に歌わせる。もれなく会場は大合唱に包まれた。ミスチルのホームグラウンドでなくてもここまでの一体感を出せる、これはモンスターバンドであるからなせる業であると感じた。そしてこの大合唱が後のエレカシの時の伏線になろうとはこの時点では誰も思わなかっただろう。

 

MCで桜井が「何よりも、皆さん今日はお得だよ」と言っていたが、確かにその通り。たったの8800円で日本を代表する3バンドも観られるというのはとんでもないことだと思う。MCの桜井はビックリするくらい謙遜していた。「僕らの出番は流して聴いてください」だの「これからやるエレカシのカバー、熱心なエレカシファンの人はトイレに行く時間ですよ」なんて言うもんだからこっちの方が謙遜してしまった。で、披露されたエレカシのカバー曲は『THE ELEPHANT KASHIMASHI Ⅱ』から「太陽ギラギラ」。スピッツ同様、一瞬にしてクセの強いエレカシの曲がミスチルの色に染められた。

太陽ギラギラ ビルの谷間
働く人たち せわしげに
あそこを見てみろ 一人の男
首をうなだれて ナミダ顔

宮本が歌えば"首をうなだれてナミダ顔の男"の社会に適合できていない感じが、ビルの谷間で働く人間との対比で、哀しげに表現されているような印象だったが、桜井がこの曲を歌えば一転、「everybody goes ~秩序のない現代にドロップキック~」ばりの応援歌になっているような印象を受けた。爽やかな営業マンみたいな人目線と、社会から逸脱し社会自体を嘲笑しているような人目線。もちろんミスチルは前者である。

 

「and I love you」のメロディーの美しさに惚れ惚れしたかと思えば、新曲の「here comes my love」が披露された。壮大な"ロックバラード"といった感じか。ショートフィルムと共にYoutubeでも聴いたが、ライブ会場で聴くとその"壮大さ"と"爆発力"がよりダイレクトに伝わってきた。このキャリアになってもなお心に残り、"高揚感"がもたらされるようなメロディーを生み出せるのは流石としか言いようがない。ライブで聴いたというのもあるのだろうけど、小林をプロデューサーとして起用しなくなって以降、一番の名曲であるように思えた。続いてこれも比較的新しい曲の「himawari」。王道のミスチルのバラードといった感じで映画の主題歌にでも、と思ったらやはり「君の膵臓を食べたい」(2017)の主題歌に起用されていた。無知であることの恥ずかしさ、調べて初めて分かった。

 

スピッツ同様楽しい時間というのはあっという間に過ぎるもので、最後の曲を迎える。突如聞き覚えのある歌詞とメロディーが桜井によって歌われた。エレカシの1stアルバムから「やさしさ」であった。1フレーズが歌い終わったと同時に、「名もなき詩」の冒頭へと見事につなげられた。これはしてやられた。この曲でも桜井と観客との掛け合いが行われる。大合唱。会場は何とも言えない幸福感に包まれ、ミスチルの出番は華々しく終演した。

 

「ミスチルは日本を代表するバンドである」そんな日本においてはもはや常識とも言える命題が"真"であるということを改めて思わされた、そんなライブだった。それを司っているのは桜井のスター性、華、オーラ。それは本当に凄まじいものがあった。彼らのライブのチケットは取りにくいと言われているが、今度は是非とも彼らの単独公演にも足を運んでみたい、そんなことを思わされる程すばらしいものであった。【ほぼ日刊三浦レコード35】

 

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セットリスト

01. Everything (It's you)
02. HANABI
03. innocent world
04. 太陽ギラギラ (エレファントカシマシ)
05. and I love you
06. here comes my love
07. himawari
08. やさしさ (エレファントカシマシ)
09. 名もなき詩

 

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