三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

2019-01-01から1年間の記事一覧

ヒトの遺伝子を自由に操作できる世の中になったらどうなるか

中国だったか、HIVが遺伝していた子どもの遺伝子を編集して、HIVではない子どもが生まれたという。これは驚きだ…と思っていたら日本でも現在、ダウン症の子供を産ませないよう事前に、出生前診断を行うことができるようにもなっている。そうした遺伝子の操作…

エレカシの「桜の花、舞い上がる道を」の"幹"を太くしているものは何か

「桜の花、舞い上がる道を」。この曲は、桜の季節になると無性に聞きたくなってくる。桜の風景をみていると、楽曲が脳内で再生され、見事な融合を果たすのである。そんなわけで、今年もこの曲について、つらつらと書いてみることにした―。 東京の方では、桜…

秋田のクラフトビールについて

クラフトビールは、大手企業のメーカーに対して、少数生産のビールを指す。音楽でいったら、"インディーズ・レーベル"みたいなものだ。全国各地、ローカルな規模で展開をしているクラフトビールは、どれも地域の特色が反映されていて、おもしろい。そんなわ…

明治神宮野球場、ナイターの魅力

野球が好きだ。暇さえあれば、野球のニュースをチェックし、シーズンオフになれば、来シーズンに備えるべく、そそくさと"冬眠"し始める。シーズン中はプロアマ問わず、どんな試合でも見てしまうが、その中でとりわけ好きなのが、東京ヤクルトスワローズであ…

脳を移植することについて——SF作品との関係性

人間同士の脳の移植はできるのだろうか。現在、臓器移植は可能であるが、それは脳死という状況においてのみ成立している。ただ脳に関しては、それはできない。いや、もしかしたら実は今の技術だったらできてしまうのではないか――。 全身がガン細胞にむしばま…

絶景、カッパドキアの今後について

アマゾンプライムというのは便利なもので、中でも映画が見放題のストリーミングサービス、プライムビデオは非常に重宝している。プライムビデオを適当に漁っていると、ナショナルジオグラフィック・チャンネルの動画を見つけた。その中に、トルコの世界遺産…

これが私のアメコミ映画遍歴

アメコミ映画は、トビー・マグワイア主演の『スパイダーマン』(2002)を観たのが一番最初のきっかけだったと思う。PUNPEE氏がブログで、 Comicsを好きになった人たちって大きく何世代かに分かれるとたまに聞きますが("一番最初に日本に持ってきた一番最初のガ…

エレカシの宮本の歌声、そしてライブへのススメ

エレファントカシマシのボーカリスト、宮本の歌声。それはどこで最も映えるかというという問いがあれば、間違いなくライブであると答えるだろう。ライブが音源と異なるのは、空間的な反響の音を感じられるということだ。宮本の、ライブでの歌声を例えるなら…

『竹取物語』のかぐや姫について

『竹取物語』に登場するかぐや姫は、やっぱり未確認生物のたぐいであると思う。もちろんそんなこと、学校の授業では習わない。どこまでも妄想である。かぐや姫は、キラキラと光を放ちながら竹取の翁(おじいさん)を導き、自分の体を切られない位置で、うまい…

レスポール・ギターは最高だ

数あるギターの中でも、レスポール・ギターが好きだ。丸みを帯びたシェイプに、シンプルな装飾。サウンドの方も柔らかくて、温かみがある。現在、筆者が所有しているギターは、グレコのEG56 ゴールド・トップ(79年製)。先輩から譲り受けてからというもの、大…

日比谷野音のすばらしさ

日比谷野音は数あるライブ会場の中でも、かなり上位の方に入るくらい気に入っている会場である。無数に立ち並ぶ、無機質な高層ビルの真ん中に、オアシスのように緑で囲まれた日比谷公園。木々の葉が重なり合って生い茂ったトンネルのような道を抜けると、コ…

革製品は、生きている

自分の身の回りには、革製品がいたるところにある。これまでも身近に使ってきたが、一番記憶に古いのは、ランドセル、そして野球のグローブ。最近だと、靴だとか、財布、あとはベルトなんかも"いつの間にか"革になっている。革製品のいいところは何といって…

老舗とんかつ屋の魅力

筆者が住むところの最寄り駅には、昭和の面影を残した――悪く言うと寂れ切った商店街がある。ところどころ店が閉まっていて、ところどころ塗装が剥がれて錆びたスピーカーからは、ひと昔前の音楽が鳴り響ている。そんな商店街の中に、ひっそりと佇むとんかつ…

"大御所バンド"に求める魅力について—木々、森林のイメージと重ねて

昨年の夏、白神山地に行く機会があった。ここは、秋田県と青森県の県境にある、世界有数のブナの原生林の土地であり、1993年には日本初の世界遺産にも登録された。現在は、一部区域立ち入りが制限されてはいるものの、悠久の時を感じることができるスポット…

文学に共感するとき——東北にゆかりのある作家たちに自分を重ねて

筆者は、秋田に生まれ育った。日本海側特有の夏の暑さにも、厳しい冬の寒さにも何とか負ケズ、今日まで何とか生きてきた。今現在はというと、埼玉と東京の県境のところに住んでいる。こちらの方に住んで、もうすぐ4年。つい先日、住民票を移したから、いよい…

世界への"迎合"ではなく、ガラパゴス的な日本のロックからの"脱却"—ONE OK ROCK『Eye of the Storm』レビュー

今までのONE OK ROCKと"違う"と感じた—。 というのも今までのはどうも、海外のバンドの"二番煎じ"をしている感じがしてならなかったのだ。これまで彼らの楽曲に関して敬遠をしていたリスナー層というのは自分を含め、恐らくはそこが一番大きかったような気が…

三浦散歩中 ネヴシェヒル・カッパドキア編

アヴァノスのお土産屋を手伝っている少年。夏休み中だからか、多くの店で子供たちが、アトリエ兼お土産屋で手伝いをしていた。お兄ちゃんらしき子にあいさつしてみると、東洋人がトルコ語を話すことに驚いたのか、弟を連れてきた。写真を撮ってあげるよ、と…

三浦散歩中 イスタンブル編

イスタンブール・アタテュルク空港のカフェにて。現在この空港は、新空港ができたために、昨年の10月を最後に使われていないらしい。図らずも、もう二度と降り立つことのできない空港になってしまった。 イスタンブルのショッピングモールの前で煙草を売って…

土耳古(とるこ)にて、寿司食らふ

イスタンブルのショッピングモールに寿司屋があった。名前は"sushico"という。店に入ってみると寿司屋というよりは、カフェや、ハンバーガーショップのようなたたずまい。店員も割烹着姿ではなく、普通のカフェのような制服を着ていた。天井の方に目をやって…

すごいぞ!トルコのサッカー人気

トルコといえばサッカーである。それは他のスポーツは興味がないといわんばかりの熱狂っぷりだ。無論、野球なんていうスポーツはそのルールを知らない人も多く、老若男女問わず、兎にも角にもサッカーを愛している。特に、イスタンブルを本拠地とするガラタ…

"喜怒哀楽"が生々しく剥き出しになったステージ——エレファントカシマシ 新春ライブ2019日本武道館 ライブレポート

新春、そして武道館という神聖な地でのライブ。初詣、あるいは初日の出を拝みに行くような心持だった。この日のライブが始まるまでは——。 一八時半、開演時刻を迎えて間もなく会場は暗転し、大喝采の中メンバーが登場する。いつものようにSEはない。静寂を切…

Something Human / MUSE (和訳・解説)

My circuits have blownI know it's self-imposedAnd all I have shared, and all I have lovedIs all I'll ever ownBut something has changedI feel so aliveMy life just blew up, I'd give it all upI'll depressurizeOh, oh, oh, ten thousand miles le…

"フラット"に音楽を聴くことについて―大御所メジャー・バンド3組の新作に思う

2018年のベスト・アルバム以外にも、こんな感じでこの年の音楽を聴くことができるのではないかと思って書いたのが、この記事です。2018年にリリースされたアルバムを3枚選んで、そこから共通項みたいなものを見出そうというものです。とはいえやはり、同じア…

三浦的2018年ベスト・アルバム5選―邦楽編

xxxtomo1128xxx.hatenablog.com カネコアヤノ - 祝祭 2018年の5月だったか、Spotifyのライブ・イベントがあってそれに出演していたカネコアヤノを知って以来、彼女の音楽のとりこになった。あのときは確か4組出ていたけれど、群を抜いた存在感を見せていた、…

三浦的2018年ベスト・アルバム5選―邦楽編 (まえがき)

邦楽というのは、必ずしもアメリカ、あるいはイギリスの流行と直接リンクすることというのはあまりないような感じがします。"ガラパゴス化"なんていう言葉が、日本の携帯電話を揶揄するときに使われたりしましたが、それは音楽においてもきっと同じことが言…

三浦的2018年ベスト・アルバム5選―洋楽編

xxxtomo1128xxx.hatenablog.com Paul McCartney - Egypt Station 今作はポール・マッカートニーの曲を聴くときのワクワク感、高揚感みたいなものが近年の彼の作品の中でも突出して強い感じがする。前作の『NEW』でも、それが感じられたが、はるかに上回って…

三浦的2018年ベスト・アルバム5選―洋楽編 (まえがき)

2018年は、各種音楽メディアのベストアルバムを見てみると、女性アーティストやラップの興隆が目まぐるしい結果となっています。Twitterで流れてきた2018年の「アメリカ Apple Music 年間トップ100」の画像(確証はありませんが)でも、ラップが75%、R&Bが12…