三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

秋田のクラフトビールについて

 クラフトビールは、大手企業のメーカーに対して、少数生産のビールを指す。音楽でいったら、"インディーズ・レーベル"みたいなものだ。全国各地、ローカルな規模で展開をしているクラフトビールは、どれも地域の特色が反映されていて、おもしろい。そんなわけで、観光地に行った際は必ず"地ビール"なるものを探してしまう。福島の磐梯山スキー場に行ったときは、猪苗代ビールを買い、鎌倉に行ったときは、鎌倉ビールなるものを買った。どれもそれなりの値段がするので、おいしくないということはなく、どれも、値段相応にしっかりとおいしい。

 筆者の地元である秋田市にも、飲み屋激戦区から少し離れた閑静な場所に、クラフトビールを販売している居酒屋があって、そこは自社で作ったビールをそのまま、自社経営のバーで格安で提供している。"あくらビール"という名前で、秋田県で言えば"田沢湖ビール"と双璧をなす。そのバーは2時間飲み放題で、料理が付いて3000円くらいだった気がする。いやはや安すぎないか、10杯飲んで、一杯当たり300円(料理を1000円とすれば、一杯200円、ソフトドリンクよりも安いではないか!!)。酒豪で名をはせる県ならではの、気が狂ったサービスである。

  飲み放題だと種類は限定されてしまうが、それでも5種類くらいから選べた気がする。ビール嫌いな人でも飲みやすいものから、酒好きならなおさらペースが上がりそうな、どっしりとしたビールまで取り揃えてある。通常ビールというものは、発酵の行程が終わると、ろ過作業を行う。それによって、あの黄金色の輝きになるのである。けれども、このビールは酵母を濾過せずにそのまま提供する。そのため、少し濁ってはいるのだが、この濁りがえもいえぬビールの喉越しを演出する。

 ビールのアルコール度数は、せいぜい5パーセントぐらいであるが、10杯、15杯と飲み進めていけば、それなりに酔ってしまう。けれども、それだけで満足しないのが秋田県民。さらに2件目で、ビールをチェイサーに、日本酒をあおるのであった。このような後先考えず飲み続ける体たらく。恥ずかしい。終いには街を徘徊する"ウォーキング・デッド"になるのであった。恥ずかしい。いやはや、秋田県民の悲しき性なのである。

 

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