三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

これが私のアメコミ映画遍歴

 アメコミ映画は、トビー・マグワイア主演の『スパイダーマン』(2002)を観たのが一番最初のきっかけだったと思う。PUNPEE氏がブログで、

Comicsを好きになった人たちって大きく何世代かに分かれるとたまに聞きますが
("一番最初に日本に持ってきた一番最初のガチオタク世代{今、翻訳とかそれを仕事にしてる人が多い印象}"、光文社世代、アニメ世代←自分、X-men、Spidermanの映画世代、MCU世代)

と言っていたように、今の30代くらいの人は、アニメ世代で、その一回り下の世代は、自分のように、このSpidermanの映画世代が多いのかもしれない。

 そんな『スパイダーマン』、当時7歳の筆者にとっては、かなり衝撃的だった。内容はともかく、何と言ってもヴィランのグリーン・ゴブリンの造詣がものすごく怖かった。演じるウィレム・デフォーが、とにかくはまり役で、怖かったのである。『スパイダーマン2』(2004)でも、ヴィランインパクトがかなり強かった。オットー・オクタビアスが科学実験の事故によって、ドクター・オクトパスへと変貌する姿は、これまた小学生の筆者にセンセーショナルな印象を植え付けたのだった。そんなヴィランに立ち向かっていくスパイダーマン。それが、監督サム・ライミの手によって、人間臭いリアリティーをもちながら、描かれる。たちまちアメコミ映画のとりこになったのだった。

 

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 その後、『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』(2005)が公開。こちらの作品は、サム・ライミ版の『スパイダーマン・シリーズ』と比べてかなりSF色が強くて、ものすごくワクワクしてみていた記憶がある。ちょうど同時期、筆者はPS2のゲーム『ラチェット&クランク4th ギリギリ銀河のギガバトル』(2005)にもハマっていたからら、なんというかそのあたりで、根本的な今の自分の基盤が出来上がったような気がする。それから、DCコミックスの『バットマン・シリーズ』。こちらもかなりハマった。『ダーク・ナイト』(2008)は特に好きで、ジョーカー役のヒース・レジャーがほんとにかっこよかった。ヴィランが、主人公を食うくらいの演技をしている映画というのは、後にも先にもこの映画くらいではないだろうか。

 

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 ただ、このあたりでアメコミ映画に対する熱というのは、いったん冷めてしまう(なぜか)。で、それが再び再燃したのが、3年前くらいに金曜ロードショーで観た『X-MEN: ファースト・ジェネレーション』(2011)。そこで友達が解説をしながら、熱く語ってくれてからというもの、その面白さを知り、X-MEN・シリーズに傾倒していく。本当にそのものを好きな人に熱弁されたとき、人というのはその魅力に気が付くばかりか、たちまちそれを好きになってしまうのである。

 

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 そんなX-MEN・シリーズで、ウルヴァリンの魅力を知り、スピンオフ作品を漁り始める。このキャラクター、ヒーリング・ファクターという能力を持っていて、いくらひどいケガをしてしまってもすぐに修復されてしまうという、不死身の男なのである。『ウルヴァリン: X-MEN ZERO』(2009)では、その不遇な生い立ちが描かれているが、この作品を観るたびに、自分にもヒーリング・ファクターがあったらなぁなんて思ってしまうのであった。ちなみに、そこで登場するウェポンⅪこと、ウェイド・ウィルソン。つまりデッドプールは、あまりにも原作とかけ離れすぎたキャラクターだったため、かなりの不評を食らった。その後、『デッドプール』(2016)として映画化されたときは、ウェポンⅪを演じた、ライアン・レイノルズが再び抜擢。X-MEN世界線にいるのだが、ウルヴァリンは登場せず、すっからかんのエグゼビア・スクールが登場するばかりであった。レイノルズ演じる『デッドプール』は大ヒットし、続編となる『デッドプール2』(2018)も公開された。

 

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 マーベル作品の映画は、配給会社が違うためにややこしいことが起こっている。たとえば、X-MENアベンジャーズは、同じマーベルコミックで、原作では一緒に登場することができるが、映画の世界だとそうはいかない。そのため、X-MENでは、ミュータントという先天的に特殊な能力を持ったキャラクターが登場するのに対して、アベンジャーズの世界では、ミュータントという概念が存在せず、人体実験や、後天的な要因で特殊能力を得たキャラクターが登場する。そこで、面白いのは、クイックシルバーというものすごいスピードで動くことができるキャラクターが、X-MENアベンジャーズの作品両方に登場するということだ。X-MENの方では、生まれながらにしてその能力を手にしているものの、アベンジャーズの世界戦では人体実験によってその能力を手にしている。余談ではあるが、『キック・アス』(2010)で両者が違う役柄ではあるが共演しているというのも面白い。

 

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 こうした大人の事情によるややこしさによって、筆者はこれまでずっとX-MEN側、つまり20世紀FOX側の映画しか観てこなかったが、ほんとに最近になってアベンジャーズ側(マーベル・シネマティック・ユニバース: MCU)の方をものすごいペースで観た。MCUの方を観てこなかったのは、『アイアンマン』(2008)から、現在上映中の『キャプテン・マーベル』(2019)までに22作品もあるという物理的な大変さもあったのだが、それ以上に、日本版のプロモーションがあまりカッコよくなかったからだったように思える。MCUの作品を観るまでは、なんとなく子ども向けで、実社会と離れすぎている印象があったのだ。

 しかしながらそれは、『アイアンマン・シリーズ』で一気に崩された。アメリカが兵器を牛耳り、その弊害が中東諸国へと飛び火し更なる事態を招いているという、なんとも現実的なストーリー。そして、その首謀となっている起業家のトニー・スターク、さらにはアイアンマンというヒーローの葛藤が描かれる。また、『キャプテンアメリカ・シリーズ』では、第二次世界大戦の人体実験で生み出された、スティーブ・ロジャーズがキャプテンアメリカとなって、ドイツの独裁組織ヒドラと戦い、その70年後、冷凍状態から復活しアベンジャーズとして再び戦うというクロスオーバーっぷりにワクワクした。『マイティーソー・シリーズ』では、北欧神話の世界戦が登場し、地球だけではなく別の惑星とのリンクが図られ、MCUのスケールが一気に大きくなる。

 

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 そして、『アベンジャーズ・シリーズ』3作品へと続き、3作目では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・シリーズ』のキャラクターとのクロスオーバーが果たされる。4月26日には、次なる段階へ向け『アベンジャーズ / エンドゲーム』で、遂にMCUに一区切りがつくことになるが、それが本当に楽しみだ。そして、先日決定した、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー3』のジェームズ・ガン監督の再起用。さらには、『スパイダーマン: ファー・フロム・ホーム』の公開など、今後さらなるスケールの展開になっていくのには目が離せない。アメコミ映画には夢があるなあ、と思う今日この頃である。

 

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PUNPEE氏ブログ

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