三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

2018-05-01から1ヶ月間の記事一覧

【ほぼ日刊三浦シアター5】ドイツとトルコの関係性について―『おじいちゃんの里帰り (Almanya: Welcome to Germany)』から

ドイツとトルコは隣国ではないし、さらには宗教的にも異なっているため、これまで両国の関係性というのは希薄なものであると思っていた。しかしながら、"移民"というカテゴリーにおいてはその関係性というのは非常に深いことがわかる。『おじいちゃんの里帰…

METROCK 2018 東京1日目 ライブレポート (BOYS END SWING GIRL編)

NEW BEAT SQUAREのステージ名にふさわしいフレッシュなパフォーマンスを披露したのは、記念すべき夏フェス初出演のBOYS END SWING GIRLだ。2017年5月に行われた渋谷eggmanでのワンマンライブの成功、そして、若手バンドの登竜門的なイベント『ROAD TO EX 201…

METROCK 2018 東京1日目 ライブレポート (トリプルファイヤー編)

"NEW BEAT SQUARE"でトップバッターを務めたトリプルファイヤ―。ボーカル吉田靖直の、ラッパー呂布カルマとのMCバトルや『タモリ倶楽部』へのテレビ出演で、彼らの"知名度"は徐々に上がってきていた。しかしながら、その"知名度"というのはあくまでも"コア"…

エレカシの新曲「Easy Go」、"50代の青春"そして"威風堂々"の佇まい

エレカシの新曲「Easy Go」、つい先日はYouTubeにて『宮本から君へ』のオープニング映像が、そして昨日はミュージックビデオのショートバージョンが公式アカウントで公開された。 ミュージックビデオ、度肝を抜かされた。音楽に比例するようにギターの演奏そ…

【ほぼ日刊ベースボール13】背番号の"ブランド力"について (背番号の持つ意味 Part2)

背番号の持つ意味について「背番号の持つ意味 Part1」では選手名を具体的に挙げながら、その意味についてつらつらと書いていきました。で、今回も例によってそれをやろうと意気込んでみたものの、いつしかそんな作業は途方もないことだということに気が付い…

港町の風景、そして路地裏の生活感―スピッツの『インディゴ地平線』レビュー

スピッツの7thアルバム『インディゴ地平線』(1996)には、現代において失われつつあるひっそりと生活が根付いているような風景がそのまま"音"として表現された感じがある。 「花泥棒」は、細い路地裏を抜けると突如現れてくる、煤けた壁の色と花の鮮やさがコ…

カネコアヤノの圧倒的な存在感―Spotify Early Noise Night vol.5 ライブレポート

音楽ストリーミングサービス"Spotify"が推薦するライブイベント『Spotify Early Noise Night vol.5』が5月16日、代官山SPACE ODDで開催された。このイベントには、Spotifyのプレイリスト「Early Noise 2018」の、今後ブレイクが期待される新進気鋭のアーティ…

【ほぼ日刊三浦シアター4】救いの手、一切無し―『炎628 (Иди и смотри)』(1985) レビュー

すさまじい映画だ。1つの救いもない。希望を感じる暇すらない。例えるとしたら、地獄に落ちたかと思えば更なる地獄が待っていて、そこから這い上がることすら許されないというような感じだ。そして、それは決して夢ではなく、全て現実であるということが淡々…

"真面目な不真面目"への飽くなき追求―奥田民生の4thアルバム『GOLDBLEND』レビュー

奥田民生の通算4枚目となるアルバム『GOLDBLEND』(2000)。今までの作品同様、今作でも聴いていて気持ちの良い曲が勢ぞろいしている。奥田特有の"コード進行"や"ビートの気持ちよさ"、これは誰にも真似できないほどの領域にまできている。ただ、今作に関して…

大御所パンクバンドによる"大人のやんちゃ"―GREEN DAY『Revolution Radio』レビュー

Green Dayのキャリア12枚目となるアルバム『Revolution Radio』(2016)。2018年現在、バンドは結成30年を迎えようとしている。本作ではそんな彼らが培ってきたキャリアの重みと、更なる可能性を感じさせるようなアルバムとなった。 "若さ"と"才能"を剥き出し…

【ほぼ日刊ベースボール12】大谷世代にとってのイチローの存在について

現地時間4日、イチローと大谷は遂に対面を果たした。数々の歴史を築き上げてきたレジェンドイチローを前にして、大柄な大谷は何だか小さく見えた―。"大谷世代"と言えば1994年生まれのスポーツ選手を指す言葉であるが、彼らが産声を上げた頃イチローはオリッ…

初期衝動からの"第2の爆発"―MUSEの2ndアルバム『Origin of Symmetry』レビュー

若さと勢いそのままの、まさに初期衝動と言わんばかりの1stアルバム『Showbiz』(1999)。2ndアルバム『Origin of Symmetry』(2001)では、それに匹敵する位の"第2の爆発"が起こっている。爆発力はさらに凄みを増し、荒く削りだされた原石には、磨きがかかり、…

ビリー・ジョーのソロプロジェクト、"The Longshot"のデビュー作『Love Is For Losers』レビュー

Green Dayのビリー・ジョーによる新プロジェクト、The Longshotのアルバム『Love Is For Losers』が4月20日リリースされた。このアルバムはパッと聴いた限り、「なんだGreen Dayと変わらないじゃないか」、なんて風に思ってしまう人がいるかもしれない。 で…

野球観戦の楽しみ方について―広島×ヤクルト戦でのいざこざに思う

野球観戦の楽しみ方とはどうあるべきなのか。 それを考えさせられたのは昨年の9月1日、神宮球場で行われた広島カープ対東京ヤクルト戦である。試合は3対2で広島の勝利。ヤクルトファンとしては悔しい限りだった。だが、今回の問題は選手側ではなく、観客側に…