三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

エレカシ宮本 "無限ビート"について語る

2012年、NACK5のラジオ番組『J-POP TALKIN'』でのパーソナリティ田家秀樹氏とのインタビューにて、エレファントカシマシの宮本浩次氏が"無限ビート"について語っていた。備忘録として少しばかり書き起こしてみたい。

 

 

田家秀樹(以下田家):宮本さんは、生き急いでいるという感じはありますか。時間がなくて、いろんなことを次から次へとやっていって、死ぬまでやり続けてしまう、みたいな。

宮本浩次(以下宮本):まあ、結果的にみんなそうじゃないですか。ただ、それぞれのスタンスはあるんだけれども。まあ僕みたいに割と、思いをガーッというタイプもあれば、実はすごく静かに、心の中で燃えている人もいるし、すごく怠惰でのんびりしている人もいるし。世の中、人それぞれのスタイルがあるというのは、理屈っぽいんですけど、すごい宇宙ですよね。不思議ですよ、これも理屈っぽいんですけど、無限ビートっていうのがあって。

田家:無限ビート?

宮本:そう、無限ビート。大気中にあるすべてのビートのことで。8ビートの練習を僕らしょっちゅうするんですけど。*1YANAGIMANに言われるんでね。8ビートというのは、いわば王貞治さんの一本足打法みたいなものなんですよ。あくまでも理屈なんですね。8ビートっていうのは、人間が表せる形なのであって、本来ならばそれ以上の無限ビートっていうのが流れてる。その一部分を僕らは、音楽を通じて表現しているに過ぎない、っていう。

例えば、華厳の滝でもナイアガラの滝でも何でもいいんですけど、実物のものよりも、絵画にされたり歌にされたりすることで、例えば「今宵の月のように」をみんな親しんで聴いてくれる。それは、実際の月がより美しく見える、ということでもあるのかもしれない。というのも、月があまりにもでかくて、もう無限ビートを兼ねているから。だから歌や、人によっては絵画で説明するのかもしれない。だんだん何言ってるかわかんなくなってきましたが、要するに自分のやってる音楽は、無限ビートの一部分。

人間というのは、個々が本当に無限ビートなんですよ。これは理屈とかじゃなくて。人によっては怠惰を通じて表現する、という人もいる。だから、生き急いでいるというよりも、そういうスタイルなのかなと思っています。

 

 

〈書き起こしおわり〉

 

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*1:2012年当時、アルバム『MASTERPIECE』のプロデューサーとしてバンドにかかわりがあった