三浦日記

音楽ライターの三浦智文が、日記のようにつらつらと書いていくブログ

エレカシの新曲「Easy Go」、そして最近のプロモーションについて

エレファントカシマシと『宮本から君へ』の関係、そして名曲“Easy Go”について (2018/04/07) 邦楽ニュース|音楽情報サイトrockinon.com(ロッキング・オン ドットコム)

 ドラマ『宮本から君へ』のエレカシの主題歌「Easy Go」、本当にすばらしかった。オープニング、わずか1分ばかりの衝撃。ドラマの脚本、監督には悪いが、映像そっちのけで聴き入ってしまった。青々しい"疾走感"や"勢い"が、とんでもなく歪む楽器隊とがなり続ける宮本の歌声を通してダイレクトに伝わってきた―。

 でもこれは果たして"名曲"なのだろうか?聴いたのはたった1分ばかり。まだフルで聴いていないのにそんなことを言うのは、映画の序盤だけを見てこれは名作だ、といってスタンディングオベーションをするようなものである。そんなわけで"現時点"で"名曲"であるかそうでないかの判断はしかねる。また、それを踏まえると、まだ世に出回っていないものをロッキング・オンの記事の題名にあるように"名曲"というのは少し不自然ではないだろうか。もちろん、ファンより先に音楽評論家や雑誌編集者が新曲を"フル"で聴く、これは編集や諸々の都合上、ごくごく当たり前のことであろうが、"名曲"かそうでないかというのは、やはり世間的な判断(ファンはおろかそれ以外の人たち)にゆだねたほうがいいのではないだろうか。そうでないとしたら、"名曲"というのは、音楽媒体側から一方的にこれは"名曲"であると決められてしまう、ということにならないだろうか。何というかそれは有名なスタイリスト達がその年のファッションのトレンドを決めてしまうかのようである。

 それにしても最近のエレカシのプロモーションには納得がいかない点がある。例えば日比谷野外音楽堂でのライブの映像化が2013年の『復活の野音』以来リリースされていないこと。音源に関しては『RESTART / 今を歌え』(2017)の初回限定盤に2017年の野音の音源が収録されていたぐらいか(欲を言えばそれも"フル"でCD化して欲しかった。それぐらいすばらしいライブだった)。日比谷野音のライブはファンクラブ会員でも当たりにくくて倍率がすこぶる高い。その映像化はファンであれば誰もが望んでいるはずだ。しかしながら、おそらく今年も"新春ライブ"や"30th Anniversary"関連の映像化がされるだろう。だとすれば、"30th Anniversary"の全国ツアーに関しては、Aerosmithの『A Little South of Sanity』(1998)みたいに、各地のライブ音源を集めた"Best Bout"アルバムみたいなのを出して欲しい。それがせめてもの望みである。

 話は「Easy Go」に戻るが、この曲はシングルカットはされないのか。とはいえ、もし仮に今後されるとしても少し遅いように思える。ドラマが始まる直前(新年度初日)だとか直後(4/7)だとか、そんなタイミングにリリースするのがベストではなかっただろうか。ドラマで1分だけ聞いて、かっこいい、これはフルで聴きたい!そんな人はたくさんいたはずだ。公式がYouTubeで音源をアップロードしてもいい。もちろん"Short Version"でも構わない。そして、そこにはもはやMVなんかはなくてもいい。なぜなら彼らの音楽は文字が流れるだけの映像はおろか、静止画のみでもその熱量は十分伝わってくるからだ。

 いやはや「Easy Go」は6月のアルバム発売まで待たないといけないのか。その頃はというと、ドラマはすでに終わっているだろうし、個人的には待たせすぎのように感じてしまう。ちなみにこの曲について載っているのは『MUSICA』の4月号: 3/15発売と『ROCKIN' ON JAPAN』の5月号: 4/1発売。前者の発売から数えれば実に3か月後!

 バンド側の意向か、スタッフ側の意向なのかはわからないが、50を過ぎて輝きを増してきているにもかかわらず、もったいないことをしているなというのが昨今のエレファントカシマシであるように思える。そして、そんな最近の状況を新曲の「Easy Go」が曲とバンドの勢いに反して表してしまっているように思えてならないのだ。【ほぼ日刊三浦レコード40】

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