三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

ミス・パラレルワールド / 相対性理論

このバンドを知ったのは、意外と前のこと。当時フジテレビの人気番組だった『SMAP×SMAP』のとあるミニコーナーの挿入曲で「LOVEずっきゅん」が使われいたのがきっかけ。調べてみればどんなコーナーだったのかはすぐに出てくるはず。国民的アイドルが出演する番組だったから当時のテレビっ子はみんな見ていた。そんなもんだから学校でこの挿入曲をやたらと歌う奴は必ずいて(彼は本当にテレビっ子だった)、そいつが歌う「LOVEずっきゅん」が耳にこびり付いて離れず、挙句の果てにはTSUTAYAに行ってアルバム『シンクロニシティ―ン』を借りてしまうまでに至った。あの時歌っていた子は回し者だったのかな。だとしたらものすごく斬新なプロモーションだ。

 

「ミス・パラレルワールド」はそんな「珍妙な歌うたい」のおかげで巡り合ったアルバム『シンクロニシティ―ン』に収録されている曲。全体を通して洒落た都会風のサウンドは田舎育ちの自分としてはキラキラしていて、眩しかった。「東京都心はパラレルワールド」なんて言われたって、東京の都心がどんな風なのかは修学旅行でちょろっと行ったぐらいの当時の自分にはわかるはずがない(今でもそうだけど…)。それでも自分は1日に何回もリピートして聴くほどこの曲にはまってしまった。それは好きだから聴くというよりも、聴かないと気が済まないというような、ちょっとした「中毒」みたいな感覚だった。

 

その「中毒性」みたいなものはやっぱりイントロから間奏、アウトロに至るまでリフレインされるギターのフレーズとかボーカルのやくしまるえつこの歌声にあると思う。この人の声は脳天のいい感じのところにスーッと入ってくるような、口当たりの良い甘口の日本酒みたいな感じですごく心地が良い。ギターはギターで空間系のエフェクターを多用したふわふわしたサウンドでお伽の国に行ってしまいそうな浮遊感を覚えさせてくる。「天然シャブ」、「脳内麻薬」、「合法ドラッグ」―。なんだかヤバそうな言葉が続いたけれど、この曲の「中毒性」を直感的かつリアルに表そうとするとそんな感じ。

 

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