三浦日記

音楽ライターの日記のようなもの

2024-12-01から1ヶ月間の記事一覧

トム・ヨークと友人E――Everything Tour 東京ガーデンシアター公演 ライブレポート 後編

一緒に来ていた友人Eとは座席が違っていたため、途中で別れる。EというのはRadioheadの熱狂的なファンであり、その容姿や動き、さらには歌声までトム・ヨークにそっくりであった。そんな彼から誘いを受け、ライブに行くことになったのだった。エスカレーター…

トム・ヨークと友人E――Everything Tour 東京ガーデンシアター公演 ライブレポート 前編

「そういえば、奥田民生のライブには行かないんですか?今年(2024年)の10月にありますけど。両国国技館でやるバンド編成と"ひとり股旅"形式のライブ――」「いや、そっちには行かないっすねー。迷うんですけどねー。まあ、代わりと言ってはアレですけど、次は…

父と山に登った日のこと――鳥海山をゆく 後編

鳥海山登山は、いよいよ終盤に差し掛かってきた。相変わらず父は、平地の道を進むかの如く平然と登ってきている。上半身は無駄な肉が削ぎ落されている一方で、それを支える足腰は強靭だ。まさに、山を登るために最適化された体であるといえる。身に纏ってい…

父と山に登った日のこと――鳥海山をゆく 前編

「あ、今日は見えてる」トンネルを抜け、橋に差し掛かると、運転席側の車窓には秋田市街を一望できる景色が広がっていた。ほとんどが背の低い住宅地であって、秋田駅前の栄えているところだけ一極的にビルが立ち並んでいる。銀色に反射している円形の建物は…

三浦的2022年ベスト・アルバム5選――洋楽編

1. The 1975 - Being Funny in a Foreign Language 2年間もベストアルバムを選んでこなかったことを本当に申し訳なく思っている。でもそんなことを言っている暇はないんだ。とにかく今は前に進み続けなくちゃいけない。まず初はThe 1975の『Being Funny in a…

昆虫と民藝Ⅱ: 虫藝(昆虫が創りし工藝)

前回以下の記事で、民藝とイラガの繭の共通項について考えた。 www.miuranikki.com 柳宗悦は民藝とは、民衆が用いる工藝品を指し、日常生活と切り離せない必要不可欠なものであると定義した。また、その美しさというのは一切の無駄を排し「なくてならぬもの…