「酸っぱいブドウ」という話がある。あるところに一匹の腹ペコなキツネがいた。お腹をグーグー鳴らしながら歩いていると、突然ブドウ畑が現れた。まさしく神の恵み。朦朧とした視界でブドウをみてみると、ルビー色に輝く実はミチミチに詰まっており、実に美…
宮本浩次の「俺と、友だち」日本武道館公演はいよいよ中盤、第2部に差し掛かる。宮本は黒シャツから白シャツに装いを改めて登場し、コードを軽く弾いて始まったのはエレファントカシマシの「Hello. I love you」だ。先ほどの「It's only lonely crazy days」…
九段下、退勤ラッシュ、いつもとは違う電車。「大きな玉ねぎの下で」を断片にした発車メロディーを背に、2番出口の表示を探す。入り組んだ地下鉄の通路をアップダウンし、長い階段を上ってようやく外に出る。たちまち、東京の疲労を凝縮したような悪臭が立ち…
眠い目を擦り外を見やる。雲一つない、まさに絵に描いたような秋晴れだ。ベッドでしばらくダラダラとした後、洗濯物を干すためにとりあえず起き上がってみる。昨日まで秋田の実家にいたが、その時は生活が安定していたような気がする。生活はあっという間に…
コンサートはまだ始まったばかりであったが、一寸の余地もないほど濃密な時間が流れていく。観客は一音も逃すまいと、全身全霊でひたすら対峙する。エンターテイメントを超越した神事のような緊張感が場内に充満していた。「ブワァー」と立て続けに数回、「…