コンサートはまだ始まったばかりであったが、一寸の余地もないほど濃密な時間が流れていく。観客は一音も逃すまいと、全身全霊でひたすら対峙する。エンターテイメントを超越した神事のような緊張感が場内に充満していた。「ブワァー」と立て続けに数回、「…
千代田線車内、電車は東京の中心部へと向かっていた。朝も夜も変わらない、地下鉄の暗くて長いトンネル。数分おきに駅のホームに到着し、その度に蛍光灯の白い光が充満する。まずはホームドア、それから電車のドアが開き、車内の人々の風景が目まぐるしく流…
川沿いの彼岸花が枯れていた。夏の暑さがもう遠い昔に感じられるようになった今日この頃、私はエレファントカシマシの日比谷野外大音楽堂で行われたコンサートについて書いていた。いわゆるライブレポートというものである。当時、五感を通して刻印された記…
17時ちょうど、会場内が暗転する。それと同時に一斉にスマートフォンの明かりが点灯し、場内は夜景のような光の点に様変わりする。まもなく観客のどよめきを切り裂くように、インストゥルメンタルが始まった。ロバート・マイルズの「Children」を思わせるク…
人だかりのさいたま新都心。その格好は様々であったが、多くの人はオーバーサイズの半袖短パンにバンダナのスタイルであった。そう、今日はビリー・アイリッシュのライブが開催されるのである。アーティストの格好を真似するファンの構図というのはよくある…